主な診断内容は、冠動脈疾患(心筋梗塞・狭心症)、心不全、不整脈が中心です。また、冠動脈疾患の基礎となる高血圧・脂質異常症・糖尿病・SAS(睡眠時無呼吸症候群)についても、早期発見の見地から治療を行っています。
冠動脈検査については、最新鋭の320chCTによる冠動脈造影CTはもちろん、腎機能低下の患者さんには造影剤を使わない冠動脈MRIにて対応できます。循環器医師が24時間スタンバイしていますので、心筋梗塞などの緊急性の高いカテーテル治療にも迅速に対応しており、下肢閉塞性動脈硬化症に対するカテーテル治療もあわせて、県内でもトップクラスの治療件数を誇っています。
虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)・不整脈・心筋症・心不全・下肢閉塞性動脈硬化症・弁膜症・経皮的冠動脈形成術・末梢動脈血管内治療・カテーテルアブレーション・心臓カテーテル検査・ペースメーカー・植込み型心臓モニタ
当院では、カテーテルアブレーション全国症例登録研究[J-AB2022]に参加しています。
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心・血管疾患は癌と同様に、症状が無いまま病状が進行し、症状が現れたときは重症となっており、時には死に至る危険性の高い、いわゆる「サイレントキラー」です。心・血管疾患は日本の場合、65歳以上の女性における死亡原因の第1位です。
心・血管疾患から心臓発作、脳卒中、足の切断および死亡に至る場合があります。生活習慣病(糖尿病、高血圧、高脂血症、肥満)、家族歴、喫煙の方に多い病気です。
よく聞かれる「心筋梗塞」や「狭心症」をまとめて「虚血性心疾患」といいます。
「虚血」とは「血がない状態」を意味します。つまり心臓に十分血がいきわたっていない状態が「虚血性心疾患」です。
心臓に栄養を送っている血管が硬くなったり(動脈硬化)血管の内側が狭くなるなどの原因で、血液が十分に心臓の筋肉(心筋)にいきわたらなくなったとき、心臓は酸欠(虚血)状態となり、胸痛などの症状としてあらわれます。高齢者や糖尿病の方は激しい痛みを感じないこともあります。
血管の内側にたまったコレステロールのかたまり(血栓といいます)が血管を完全にふさいでしまうと、その先の心臓の筋肉には酸素が届かず細胞が死んでしまうのです。それが心筋梗塞です。心筋梗塞の急性期死亡率は50%とされています。また、命をながらえた場合でもいったん死んでしまった部分の心筋は元には戻りません。
虚血性心疾患の診断を確実にし、治療方針を決める上で、心電図検査、運動負荷心電図、ホルター心電図、血液検査、心臓超音波検査、ABI検査などを行う必要があります。心臓MRI、CT検査や冠動脈造影・ 左室造影を行うことが可能です。
最終的には、最も確実かつ治療に即した検査方法として、腕・手首・足の動脈から挿入した管(カテーテル)から冠動脈に造影剤を注入する冠動脈造影を、どこが狭窄しているのか、どの程度狭くなっているかを知るために行います。術者・器具の進歩がめざましく、以前と比較して非常に安全かつ低侵襲に行うことが可能となっております。
ダイエット、塩分制限食、禁煙などは必須となります。生活習慣の改善は、薬物療法、血管形成術などの治療効果や他合併症などを防ぐうえで必須となります。塩分制限、禁煙などは栄養士、禁煙外来とも連携して行っております。適切な運動療法も有効です。
発作が起きたときには発作を鎮めるためにニトログリセリンなどの硝酸薬を舌下に入れて、そこで溶かして速効を期待します。一度でも発作を経験した人は常に舌下錠を携帯します。
発作予防のためにはベータ遮断薬、持続性硝酸薬、カルシウム拮抗薬などが使われます。また、血栓ができないようにアスピリンなど(抗血小板薬)も使われます。より長期的にはコレステロール値を下げるスタチン製剤も必要です。
薬を飲んでいても発作が起こりやすいとか心筋梗塞になる可能性が高いときには、カテーテルを使って狭くなった血管を拡げる治療を行います。
血管の中で風船をふくらませて拡げる「風船療法(POBA)」やステントという金属の網でできた管を血管の中に留置する「ステント療法(PTCA)などがあります。
風船のついたカテーテルを用い、狭窄部位や閉塞部位を拡張します。部位により、ステントと呼ばれる金属性の管を血管の中へ留置します。
腎動脈形成術(ステント治療)は、足の付け根の動脈から、細い管(カテーテル)を入れて、狭くなった部分まで送り込み、風船状の器具で血管を広げたうえ、再び狭くならないよう筒型のステントを血管内に置く治療法です。
心・血管疾患は癌と同様に早期に発見することが重要です。 循環器疾患(心・血管疾患)は、心臓だけでなく全身の血管の疾患でもあるため、心臓、足、脳だけでなく、他の重要な臓器への血流にも影響を及ぼします。
適切な心機能と血流がなければ、体の他の部分も徐々に損なわれていきます。
CT/MRI/4Dエコーについては、「最新医療設備のご案内」に詳細を掲載しておりますので、よろしければご覧ください。