• TEL: 048-866-1717
  • 医療法人社団 松弘会 三愛病院 JR武蔵野線「西浦和駅」下車 徒歩7分。さいたま市の24時間対応の救急病院です。

不整脈ってなんですか?

不整脈とは、心臓の脈拍が正常とは異なるタイミングで起きるようになった状態の事です。

不整脈には多くの種類があり、自覚症状がなく健康診断で初めて指摘されるような場合から、自覚症状があり日常生活に差し支えがあるような場合まで様々です。心拍数が少なくなる不整脈(徐脈)では、めまい・ふらつき・心拍出量低下による倦怠感等が現れます。一方、心拍数が多くなる不整脈(頻脈)では、動悸・息切れ・めまい等の症状が現れます。また予定されていないタイミングで脈が生じる期外収縮では、脈が飛ぶ等の症状がありますが、自覚症状がない事もあります。

不整脈の種類や自覚症状によっては、早期の治療が必要となります。

徐脈性不整脈

洞不全症候群

心臓の電気活動を担う洞結節と呼ばれる部分の機能が鈍くなったり、洞結節から心房への電気刺激の伝導が悪くなったりする事から引き起こされる病気です。

房室ブロック

心臓には大きく分けて、心房と心室という部屋が存在します。心臓は心房と心室が規則正しく協調運動をする事が不可欠であり、房室ブロックとは心房から心室への電気信号がうまく伝達しない病気です。

頻脈性不整脈

心房細動

本来は一定のリズムの電気活動で動く心房が無秩序に電気活動をしている状態で、不規則な脈となります。自覚症状がなく健康診断で初めて指摘される場合や、動悸・めまい等の自覚症状がある場合があり、加齢と共に発生率が高くなります。突然死のリスクと直結する事はほとんどありませんが、脳梗塞を引き起こす危険性が高くなります。

心房粗動

心房が250~350回/分で収縮する不整脈です。心房のすべての電気信号が心室へと伝わるわけではありませんが、心房細動と同様に脳梗塞を引き起こす危険性が高くなります。

心房頻拍

心房内に存在する異常な電気信号を発生させる興奮部位が原因となる不整脈です。

発作性上室性頻拍 ( 房室結節リエントリー性頻拍、房室回帰性頻拍 )

心房が原因で脈が速くなり、突然の動悸等の症状を伴う事が多い不整脈です。

心室性期外収縮

心室内に存在する異常な電気信号を発生させる興奮部位が原因となる不整脈です。期外収縮自体は特に問題がない事も多いですが、頻発していたり自覚症状が強い場合は治療の対象となります。

心室頻拍

心筋梗塞等で障害を受けた心筋の周囲に異常な電気信号の伝達経路が形成されて、電気信号が回り続けて心室を頻回に拍動させてしまう事で起こる不整脈です。

心室細動

心室が1分間に300回以上で不規則に震える状態の不整脈です。この状態になると心室が正常に機能しなくなり、いわゆる心停止と呼ばれる状態となります。

不整脈ってどんな検査をするの?

※不整脈は発作が起きているときに検査を行えば、多くは診断が可能です。しかし、不整脈脈発作が起きていないときに検査をしても異常が検出できないため、発作時に検査をする事が重要です。

12誘導心電図

手首、足首、胸の数箇所に電極をつけます。検査時間は5分程度で終了します。

ホルター心電図

携帯用の小型心電計を用いて、長時間(24時間)にわたり心電図を記録します。10分程で検査機器の装着は完了しますが、検査開始から24時間、眠るときも含めて装置を付け続けます。検査の解析には、約1週間かかります。

植込み型心電図

大きさは1cm×5cm程の小さなスティック状をしており、胸の皮膚を1cm程切開し、機器を皮膚の下に植え込みして使用します。約2~3年間心臓を24時間モニタリングして発作時の心電図を記録します。

採血

不整脈の元になるような基礎疾患(心不全、電解質異常、甲状腺機能異常等)が無いか確認をします。

心臓超音波検査

超音波を用いて、心臓の形態や動き、血液の流れを調べる検査です。胸にゼリーを塗り、そこにプローブと呼ばれる超音波発信器を軽く押しあてて検査を行います。患者さんの疾患や状態等で異なりますが、検査にかかる時間は約30分程度です。

トレッドミル検査

運動をしながら心電図を記録します。安静時では分からない心電図の変化や血圧・心拍数の変化を見て、運動中の心臓の状態を評価します。

不整脈ってどうやって治療するの?

徐脈

ペースメーカー

心拍数低下による症状(労作時息切れ、めまい、意識消失等)を改善する目的で手術を行います。心拍数が低下した際にペースメーカーから電気刺激を与えて心拍数を維持します。

頻脈

投薬

不整脈の種類により、不整脈の発作を予防する・不整脈を停止させる薬(抗不整脈薬)や血液の固まり(血栓)を予防する薬(抗血栓薬)等、種々な薬剤を組み合わせて使用します。
薬物療法は入院や手術を要しませんが、治療効果が不安定な事が多いです。

カテーテルアブレーション

不整脈を起こす原因となっている異常な電気興奮の発生個所を焼き切る治療です。
足の付け根の太い血管からカテーテルという細い管を挿入し、不整脈の原因部分に対して熱を加えます。薬物治療が不整脈の症状を抑えることを目的とした治療法であるのに対し、カテーテルアブレーションは不整脈の根治を目指す治療法です。
カテーテルアブレーションで様々な不整脈を治療することができますが、不整脈の種類や患者さんの状態によって、治療による根治率や再発率は異なります。一回の治療では不十分で、複数回の治療が必要な場合もあります。アブレーション治療は主に薬物療法では症状の緩和が不十分な人や根治治療を希望する人に対して検討されます。

当院では、カテーテルアブレーション全国症例登録研究[J-AB2022]に参加しています。

※詳しくは下記(オプトアウト文章)をご覧ください。
(画像をクリックするとPDFデータが開きます。)