心臓リハビリテーション
当院では、心疾患をお持ちの患者さまが安全に、そして安心して日常生活へ戻れるよう、専門医・看護師・理学療法士・臨床検査技師・栄養士が連携し、科学的根拠に基づいた心臓リハビリテーションを提供しています。
心不全とは?
一「心臓が弱ってしまい、全身に十分な血液を送れなくなった状態」のことです。
心臓はポンプのように血液を送り出す役目をしています。
しかし何らかの理由でポンプの力が落ちたり、血液を受け取ることがうまくできなくなると、必要な酸素や栄養が体に行き渡りにくくなります。
これを「心不全」と呼びます。
心不全は“治る”というより“付き合っていく病気”
風邪のように完全に治るというより、薬や生活改善、リハビリで心臓の負担を減らし、うまく付き合っていく病気です。
特に近年は治療法が進歩し、「以前よりずっと長く、元気に過ごせるようになってきた病気」でもあります。しかし、我が国では高齢化とともに心不全患者数が増え、心不全パンデミックと呼ばれる時代が到来しております。また、心不全にはなっていないが心不全リスクが高い、「前心不全」と呼ばれる病態が注目されており、心不全にさせない事が大切と考えております。そのために重要なのが「心臓リハビリテーション」と考えております。
どんな人がなりやすい?
- 高血圧
- 心筋梗塞など心臓の病気の既往
- 糖尿病
- 不整脈(特に心房細動)
- 高齢者
などが原因になります。
心臓リハビリの重要性
心不全の治療では薬・食事・運動(心臓リハビリ)・体重管理の4つがとても大事です。
特に心臓リハビリは、心臓の負担を減らしながら体力を上げ、入院や再発を防ぐ効果が科学的に証明されています。
心臓リハビリとは?
心臓リハビリテーション(心リハ)は、心臓病の再発予防や体力回復、生活の質の向上を目的とした総合的なプログラムです。
- 運動療法
- 食事・栄養指導
- お薬の管理・生活指導
- 心のケア(心理サポート)
これらを組み合わせ、患者さま一人ひとりの状態に合わせた最適なプランを作成します。
対象となる主な疾患
- 心筋梗塞・狭心症
- 心不全
- 心臓手術後(バイパス手術、弁膜症手術など)
- 経皮的冠動脈形成術(PCI)後
- 不整脈の一部
- 末梢動脈疾患
その他、医師の判断により心リハが必要とされる方も対象となります。
心臓リハビリの効果
- 死亡率・再入院率の低下
- 健康寿命の延長
- 運動耐容能・体力の向上
- 生活の質(QOL)の改善
- 再発予防・生活習慣改善
- 医療費削減への寄与
といった多方面の効果が、国内外の研究から証明されています。
心臓リハビリの安全性
心リハ運動療法中の事故発生率は航空機の事故発生率(0.0009%)より低いという報告がされております。
当院の心リハの特徴
① 安全で効果的な運動プログラム
心電図や血圧を確認しながら、専門スタッフがサポートさせていただきます。
最新のエルゴメーターなどを用いて、無理なく継続できる運動をご提案します。
② 医師・多職種チームによる手厚いサポート
循環器専門医、リハビリ専門スタッフ、栄養士、看護師が連携し、包括的に支援します。
③ 生活習慣改善をしっかりサポート
減塩・栄養管理、運動習慣づくり、ストレスケアまで、再発を予防するための「続けられる習慣」を一緒に身につけます。
④ 通院しやすい柔軟な時間設定
平日・土曜日の複数時間帯で実施しており、お仕事や家事と両立しやすい環境です。
⑤ 心リハの効果判定
当院では心リハ導入時とその後の効果は心肺運動負荷試験(CPX)で判定しております。
心肺運動負荷試験(CPX)とは?
自転車こぎなどの運動をしながら、心臓と肺の働きを総合的に調べる検査です。
専用のマスクをつけて呼吸の状態を測り、同時に心電図・血圧・脈拍を記録することで、体がどれだけ酸素を使えているか(体力・心肺機能) を詳しく評価します。
この検査により、
- 心不全などの重症度の判定
- 息切れの原因の特定
- 安全で効果的な運動処方(心臓リハビリの目標設定)
が可能になります。
運動負荷は少しずつ上げていき、つらくなった時点でいつでも中止できる安全な検査です。
心臓・肺の状態をより正確に知り、治療やリハビリに役立てるための、とても重要な得られる情報量が多い検査です。
よくある質問
- 心リハはいつから始められますか?
- 医師の判断により、入院中から開始できます。退院後は外来で継続して行います。また、適応がある方は外来からでも開始が可能です。
- どれくらい通う必要がありますか?
- 通常は3〜6か月を目安としています。健康状態や生活状況に合わせて調整可能です。
- 保険は使えますか?
- 対象疾患の場合、健康保険が適用されます。詳細は外来窓口へお問い合わせください。
