医療法人社団松弘会 三愛病院

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下垂体腫瘍

下垂体腫瘍に対するガンマナイフ治療

下垂体腫瘍とは

ホルモンの中枢である下垂体は脳にとって一番底に位置する大事な臓器。
その組織の一部が腫瘍化したものを下垂体腫瘍(腺腫)といい、ほとんどが良性です。しかし、ホルモン異常を呈するタイプでは、いろいろな全身症状を合併してしまう患者さんから、ホルモン異常をきたさないタイプでは発見が遅くれ、近くにある視神経を強く圧迫して視野障害を訴える患者さんまで初発は多種多様です。基本はハーディ手術(経鼻経蝶形骨洞手術)にてまず腫瘍減圧(組織型確認・近接臓器圧迫解除目的)。残存もしくは再発時にこのガンマナイフ治療が用いられることがあります。

ガンマナイフの適応

基本は再発もしくは残存腫瘍。手術含め他治療困難な方がお勧め

  • 再手術や薬物治療は不向きの患者さん
  • 視神経より距離が数ミリ以上離れていること
  • 海綿静脈洞など手術到達困難な箇所にある腫瘍

ガンマナイフの治療目的

できる限り神経機能を保ち、大きくさせない(成長止める)

ガンマナイフとは、ガンマ線を腫瘍細胞に集中照射し、細胞内の遺伝子(DNA)を切断するための治療。その際に、各脳神経を0.1mmの精度にて高い放射線量が当たらないよう安全を守ることができる、脳神経外科治療において、最も神経機能を維持できる可能性が高い(図1)。 しかし、切り取るわけではないので、あくまでも治療目的は腫瘍をこれ以上大きくさせないことに尽きます。

下垂体腫瘍に対するガンマナイフ治療

図1

下垂体腫瘍に対するガンマナイフ治療

図1

下垂体腫瘍に対するガンマナイフ治療計画(図1)(各球状照射野を腫瘍のみに配置し、脳神経への過照射を避ける)

ガンマナイフの効果と合併症

腫瘍サイズの大方コントロール良好。縮小例も稀でない。視機能や正常下垂体機能の温存率は高く、異常ホルモン値改善も期待できる。

95%以上で腫瘍の成長を止めることができ、少なからず縮小しやすい傾向があります。下垂体自身が腫瘍化して発生したものですが、治療による正常下垂体機能温存は比較的高い特徴を持ちます。腫瘍によっては隣接する海綿静脈洞に容易に入り込み、手術困難例も多くみられますが、これらは安全に治療が可能となっています。また、隣接脳神経に影響しているもののうち数%はその機能障害を負う可能性があります。

視神経 視力低下
動眼神経 複視・眼瞼下垂
滑車・外転神経 複視
三叉神経 顔面しびれ・痛み
顔面神経 顔面麻痺
聴神経 聴力低下・めまい
下位脳神経 嚥下障害・嗄声・舌の変位
その他

ガンマナイフ後の経過観察

5年までは定期的に受診を勧めます。緊急時はすぐに連絡を!

6か月毎に基本3年まで外来を受診していただきます。その都度、MRIとホルモン検査が必要です。治療成果判定は5年後となり、長期に亘る観察が必要となります(図2)。ただし、急な症状の発現や変化があったときはすぐに連絡をしてください。投薬など初期治療により、症状改善が認められるケースが多いからです。放置は治るものも治らなくしてしまいます。

将来に亘り不安なく受けてください

最近では腫瘍外部への過照射をなるべくしないように工夫しています。これにより、強い癒着が防止でき、むしろ外科手術操作を有利にする可能性が高められます。また、腫瘍や隣接脳神経を三次元的に把握し、さらに腫瘍内部をより高く照射できる工夫をしています。これにより、腫瘍栄養血管をつぶし細胞壊死に追い込みます(図1)。さらに「悪性転化」の可能性はより低くなると考えています。

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